オハラ、国内トップシェアのガラスメーカーが製品カタログアプリを導入した理由

「今時、紙の手帳は使わないよ」
その一言で、アプリ開発を一念発起

株式会社オハラは、光学ガラス専業メーカーとしてトップシェアの地位を誇る、知る人ぞ知る企業だ。同社の光学ガラスは、デジタルカメラやプロジェクターなど、様々なメーカーの光学機器やデジタル関連機器に使用されている。これまでは主にレンズ母材(プリフォーム)の製造を手がけてきたが、近年はさらにレンズ後加工までを行いメーカーに提供している。

各メーカーとの商談の際になくてはならない営業ツールがガラス製品用のカタログである。今回、同社はそのツールをスマートフォン・タブレット用アプリとしてリリースした。

これまでは光学ガラスの物性をまとめた一覧図7種類とシステム手帳のレフィル形式で展示会や顧客向けに配布してきた。「でも、展示会で『最近、システム手帳は使っていない』という意見をいただき、それをきっかけに進化版カタログとしてのアプリを思いつきました。」と光素材開発課の津田哲也さん。レフィル形式の原型を作った張本人である彼は、悔しさを感じたという。その悔しさをバネに、理想のアプリを求めて、手書きのイメージ図をも添えた資料を整えた。

一方、営業担当は、これまで客先ではカタログを基にしながらも、詳細は持ち歩いているノートパソコンをインターネットに繋ぎ、自社のホームページに掲載されたそれぞれのガラスの詳細データを説明してきた。「私自身は当初、必ずしもアプリが必要とは考えていませんでした。しかし、時代の流れを考えるとこれからはアプリが主力ではないかという意見があり、ならば進めてみようと思ったんです」と光製品営業課の佐藤和憲さんは語る。

今回のアプリ開発プロジェクトは、こうして開発部門と営業部門の二人三脚でスタートを切った。しかし、現場での意見は合致したものの、上層部が首を縦に振るかはわからない。入念に準備をしたものの、意外にも上層部も「面白いじゃないか」とすぐに興味を示し、トントン拍子で進んでいったという。アプリ開発会社は、オファーミーなどを通じて3社にコンタクトして選んだ。


受付写真
光製品事業部 光製品営業課の佐藤和憲さん(左)と同事業部 光素材開発課の津田哲也さん(右)

津田様
「アプリで実現したいことはまだまだありますが、仕上がりに満足しています」(津田さん)

検索と“マイマップ”機能で
格段に進化したアプリ型カタログ

作るからには、アプリは紙媒体の“進化版”でなくてはならない。

力を入れたのが、ガラスマップからの検索機能だ。各メーカーの開発担当者は、マップ上から自身が開発するカメラの性能に合ったガラス製品名を選び、その特性を見て採用するかどうかを決める。「これまでは紙媒体でマップを見て、そこからホームページの詳細データを閲覧するスタイルでした。しかし、アプリ化することでマップ上の製品名から製品詳細へのリンクを張り、情報の入手がスピーディになります」(佐藤さん)。さらには諸条件による絞り込み機能も搭載した。これにより、従来はエクセルの表にフィルターをかけることで対応していた部分にも、アプリの使用者自身が検索したい時にアクセスできるようになった。

また、津田さん自身がどうしても搭載したかったのが“マイマップ機能”だったという。「メーカーの開発担当者は、新製品を開発する際にガラスの屈折率とアッベ数(光の色分散を表す数値)をとって物性をマップにプロットしながら考えることが多いのです。各自のメモ書きを加えながらマップを成長させていく機能があれば便利だと考えました」。佐藤さんもそれに続ける。「この機能があることで、これまで紙に書き込んでいた開発担当の方々がアプリへシフトする後押しになる。印刷物を減らせる効果もあるのではと期待しています」。

リリース前から社内外での評価も高い。「“業界初”とプレゼンしていることもあり、お客様からの反応もとてもいいんです。使用感のフィードバックも『ぜひ協力させて欲しい』など、有り難いお声もいただいています」と、佐藤さん。「まずはテスト運用的にリリースし、反響を聞きながらどんどん機能を追加してバージョンアップしていく予定です」。現在は平行して紙媒体のカタログも制作しているが、将来的にはアプリへ一本化したいと考えているそうだ。

■画面キャプチャー

(トップ画面)
画面キャプチャー(TOP)
2種類の検索機能と製品データ、MY MAP機能に加え、他社材との比較の5つの機能を搭載

(データ検索画面)
画面キャプチャー(データ検索画面)
物性名と物性値を入力することで、希望する光学ガラスを検索できる

(MAP検索画面)
画面キャプチャー(MAP検索画面)
技術者の必須アイテムである光学MAPをデジタル可。MAPからの検索だけでなく、紙のMAPと同じく書き込み・保存も可能

 

佐藤様
「アプリをさらに活用するため、ノートパソコンからタブレットに移行するのが営業としての次の課題です」(佐藤さん)

■会社概要
株式会社オハラ
神奈川県相模原市中央区小山1-15-30
創立:1935年
従業員数:430名
http://www.ohara-inc.co.jp

本社

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